こんにちは、歯科医師の松本です。

本日は、妊娠中の歯科治療に関してお話しいたします。
妊婦の方に以下のような質問をされることがあります。

①妊娠中の歯科治療は可能?
原則として可能です。
但し、できる限り妊娠安定期5〜7カ月(妊娠16〜27週頃)に歯科治療を受けましょう。
特に妊娠初期は、体調の変化が起きやすい時期なので、応急処置に止めることををお勧めします。
後期はお腹も大きくなり、歯科治療時の体勢はかなり体に負担をかけるため避ける方が良いでしょう。

②どのような治療でもできるのか?
歯を削ったり、神経を抜く治療などの一般的な治療は可能です。
ただし、親知らずの抜歯などの治療時間が長くかかり、一定期間の服薬が必要となる治療は避けましょう。
長時間の治療で体に負担がかかったり、服用薬が胎児に影響を与える可能性があるためです。
特にボルタレンやロキソニンなどの鎮痛剤は、妊娠中の服用は禁止とされています。
(ただし、カロナールというお薬は服用可能とされている)

③レントゲン写真の撮影や麻酔は胎児に影響ないのか?
実際に歯科治療を受ける場合、麻酔やレントゲン撮影が必要となる場合があります。
レントゲン撮影に関しては、撮影時に専用の防護エプロンを着用すれば問題ないとされています。
撮影部位も口の中だけなので、被曝部位もかなり最小限なため安心です。
また、麻酔に関しては、局所麻酔といわれる部分的な麻酔になるので、胎児には影響ないとされています。

以上の事から、いくつかの点に注意すれば妊娠中の歯科治療は可能です。
痛くなったら、我慢せずに歯科医院を受診しましょう。
ただし、何か御心配なことがあれば産婦人科の先生にご相談の上、治療を受ける事をお勧めします。