みなさん、こんにちは。
歯科助手の菅原です。

多くの人が毎日一生懸命歯磨きをしているのに、日本の成人の9割以上に虫歯、8割以上に歯周病があるという事実をご存じですか?

たかが虫歯と甘くみてはいけません。最近、虫歯や歯周病の原因菌が心臓疾患や糖尿病など多くの重篤な疾患と密接な関係があることが医学的に明らかになっており、歯の健康を維持することが身体全体の健康を守ることに繋がることがわかってきているからです。

虫歯や歯周病は原因となる細菌をしっかり除去することで十分に防ぐことができます。正しい歯磨きの知識を身につけてあなたの健康に役立てましょうね〜!!

NG習慣① 力を入れてゴシゴシ磨く

力を入れて磨けば磨くほど汚れがよく落ちるような気がしていませんか⁇
しかし、強く押し当てると歯ブラシの毛先が寝てしまいかえって汚れがうまく落ちません。また、強い摩擦力によって歯の表面のエナメル質を削ってしまい、知覚過敏や歯茎が下がる原因にもなるそうです。

汚れ(歯垢)を除去するために最適な歯ブラシ圧は200gと言われています。これは歯ブラシが歯に軽く触れる程度です。ブラシが曲がらないくらいの力で毛先を歯と歯茎に当てて小刻みに動かしましょう。上手く力がコントロールできない方はやわらかめの歯ブラシを使うと良さそうです。

NG習慣② 歯磨き粉をたっぷりつける

市販の歯磨き粉には、磨き心地を良くするために発泡剤やミントなどの清涼剤が添加されていることが多いので、たっぷりつけることで過剰に泡立ち、口いっぱいに清涼感が広がることで、あまり磨けてないのに磨いた気になりがちです。

適切な量としては、歯ブラシの毛先1/3(小豆大)位を目安にすると良いそうです。口の中が唾液や泡でいっぱいになったら一旦吐き出すなどして最低でも3分間以上は磨きましょうね。

実は、歯ブラシを濡らしてから歯磨き粉をつけるのもダメ。
泡立ちやすくなりますし、歯磨き粉が流れてしまいやすくなるようです。

NG習慣③ 磨いたあと何度もうがいをする

市販の歯磨き粉はすっきりしますが、口の中に残っているのは不快なもの。あまりおいしくもないので、すぐにたっぷりの水で2回も3回も口をすすいでしまっていませんか?

歯磨き粉の中には、磨き心地を良くするだけでなく、フッ素など歯に良い有効成分も配合されています。
こうした有効成分をしっかり歯に作用させるためには、歯磨き粉で磨いた直後はおちょこ1杯くらいの少量の水で1回だけすすぐくらいがベストとも言われるそうです。気持ちが悪いようなら30分くらい我慢してから再度うがいをしてみましょう。

NG習慣④ 歯磨きは朝と寝る前だけ

歯磨きはいつしていますか?
眠っている間は口腔内の唾液の力が弱まり細菌の活動が活発になるので、就寝前と起床後の歯磨きが重要なのですが、食後の歯磨きの重要性についても調べてみました。
虫歯や歯周病の原因となる細菌は、口の中に残った食べかすを栄養源として増殖します。それを防ぐためには、なるべく素早く除去することが効果的です。
つまり、虫歯や歯周病予防のためには食後すぐの歯磨きが大切になるそうです。

NG習慣⑤ 歯磨きは歯ブラシだけ

歯と歯の間は最も虫歯になりやすい場所のひとつです。なぜなら細菌が繁殖しやすい環境にも関わらず、歯ブラシの先が届かないからです。

少なくとも1日に1回は、歯磨きの後にデンタルフロスを使いましょう。歯間ブラシは部分的にしか歯垢がとりにくいため、歯の側面をまんべんなく掃除ができるデンタルフロスがおすすめです。ひも状のものが使いづらいと感じる方には、最近では柄のついているものも売っていますのでご自分の使いやすいものを探してみてくださいね。

★虫歯になりやすい場所

虫歯にはなりやすい場所というのが3つあります。是非普段から意識して磨きましょう。

1.奥歯の噛む面の溝
2.歯と歯茎の境目
3.歯と歯の間

NG習慣⑥ 歯ブラシの交換は気づいたとき

たまたま歯ブラシを見たら毛先が開いていたので交換したという人も多いのではないでしょうか?
毛先が開くと歯ブラシ本来の力が発揮できず、汚れを落としにくくなりますので、一つの交換の目安ではあります。
しかし、そのタイミングだと使い始めてから2~3か月経っていたということも多いと思います。

口の中は良くも悪くも細菌のテーマパークです。それに触れた歯ブラシには細菌がびっしり付着しており、水で洗い流したくらいでは中々とれません。その上、濡れたまま湿気の多い洗面所の棚の中に置いておくと、更に菌が繁殖します。これを長く繰り返すと、歯をきれいにしているのか菌を塗りたくっているのかわからなくなってきます。

例えば、毎月1日に交換すると決めるなどして、長くても1か月位で新しいものに交換するようにしましょう。

NG習慣⑦ 歯ブラシでついでに舌もこする

鏡の前で自分の舌を出して見てみると、特に中央や奥の方に白い汚れがついているように見えることはありませんか?
これを舌苔と言います。最近、これが口臭の原因とされ気にする人が増えてきているため、歯ブラシでゴシゴシと舌を磨いている方がいますが、これはあまりオススメ出来ません。

舌の表面には細かいヒダが生えており、ここに味覚を司る器官があるのですが、非常に繊細なため歯ブラシでゴシゴシこすると傷ついてしまい、味覚に悪影響を及ぼしたり、強い刺激によって表面が変質し逆に汚れがつきやすい状況になってしまいます。

舌苔は誰でも自然につきますが、食事や唾液の作用で問題のない程度に浄化されるので、基本的にはケアは不要です。どうしても気になる方は、専用の舌ブラシが販売されていますので、優しくケアしてあげてくださいね。

痛いなど何か症状がなくても歯医者さんで定期的に健診を受けたり、正しいブラッシングのやり方を身につけたり、健康な歯を維持していきましょうね!!