こんにちは。
歯科医師の三留です。
今日は入れ歯のお話。
一言で入れ歯と言っても
いろいろありますが、
一番難しいとされているのが
「下顎総義歯」
要は下の顎につける
総入れ歯です。
一般的に総入れ歯は
吸盤のように歯肉に吸い付く
力のみで固定されます。
上顎は面積を広くとれるため
比較的安定させやすいのですが、
下顎は真ん中に舌があるため
U字型の形になり
吸盤のような力を
働かせることが難しい
とされています。
写真のように
小さくても歯が残っていれば
特殊な磁石を使用することで
補助的に安定させることが
できます。
![下顎総義歯](https://www.ohsakicity.dental/wp-content/uploads/2016/07/t02200148_080005371356700578221225510.jpg)
![下顎総義歯](https://www.ohsakicity.dental/wp-content/uploads/2016/07/t02200148_080005371356700578221225510.jpg)
しかし、歯型の取り方を
工夫することで磁石を
使用しなくても安定した
下顎総義歯を作ることが
出来る場合もあります。
まず、仮に使用していただく
義歯を作り、その粘膜面に
ティッシュコンディショナー
という材料を貼り付けて
装着していただきます。
ピンクの義歯についている
象牙色の材料がそれです。
![下顎総義歯](https://www.ohsakicity.dental/wp-content/uploads/2016/07/t02200146_080005301356700578021225507.jpg)
![下顎総義歯](https://www.ohsakicity.dental/wp-content/uploads/2016/07/t02200146_080005301356700578021225507.jpg)
ティッシュコンディショナーは
軟性離層剤と呼ばれる材料の
一つで、固まった後も
力が加わることでその形を
変化させます。
発音、咀嚼、嚥下と
とても複雑な動きをする
口腔内の形を一回の型取りで
済ませることは非常に
難しいですが、ティッシュ
コンディショナーがあることで
機能時の粘膜や歯肉の形を
少しずつ義歯に写し取る
ことができます。
すなわち、義歯の辺縁の
適切な長さや厚みが
形作られていくことに
なります。
一定の期間、調整、使用して
患者さんが問題なく使える
状態にまですることができたら
その義歯を使って模型を
作り、仮ではない本義歯を
完成させます。
下の写真の左が完成義歯で
右が仮義歯です。
![下顎総義歯](https://www.ohsakicity.dental/wp-content/uploads/2016/07/t02200146_080005301356700578321225508.jpg)
![下顎総義歯](https://www.ohsakicity.dental/wp-content/uploads/2016/07/t02200146_080005301356700578321225508.jpg)
![下顎総義歯](https://www.ohsakicity.dental/wp-content/uploads/2016/07/t02200146_080005301356700577921225506.jpg)
![下顎総義歯](https://www.ohsakicity.dental/wp-content/uploads/2016/07/t02200146_080005301356700577921225506.jpg)
義歯の外形がほぼ同じに
なっていることがわかると
思います。
もちろんわずかな調整は必要
ですが、大きな違和感を感じる
ことなく使用していただくこと
ができます。
失った歯は戻りませんが
適切な方法で作られた義歯で
食事を美味しく取れるように
なるお手伝いができるかも
しれません。
ご興味のある方はお気軽に
お問い合わせください。
三留