こんにちは。大崎シティデンタルクリニック、歯科医師の山口です。

今回は舌ブラシについてお伝えしたいと思います。

舌はツルッとしたイメージがあるかもしれませんが、実際は舌乳頭という細かなトゲのような組織で覆われています。舌乳頭の間の溝には食事由来の成分が断続的に供給され易く、またその深部は嫌気的なため、多様な細菌が棲息するようになります。やがてそれらの細菌や古い組織などが舌に沈着していきます。そうしてできたプラーク様の構造体を舌苔と呼びます。

舌苔に棲息する細菌は、糖やタンパク質、アミノ酸などを代謝し、各種成分を産生します。

なかでもシステインを代謝してできる硫化水素、メチオニンを代謝してできるメチルメルカプタンとジメチルサルファイドは、口臭の主成分と考えられています。

したがって、舌苔は口臭の最大の原因とされているのです。

その舌苔を除去するために作られているのが、舌ブラシです。各社から様々なタイプの舌ブラシが発売されていますが、一般に毛足が短いブラシが幅広く設置されており、効率的に舌苔を除去できるように設計されています。また強い力がかからないようしなやかなフレームになっていることが多いです。

使用方法としては、舌の奥から手前にクシで髪をとかすようなイメージで清掃すると良いでしょう。舌粘膜を傷つけないように、過度の力が加わらないように気をつけてください。舌の奥の方は舌苔が堆積しやすいですが、嘔吐反射が起きやすいため無理せず清掃を行いましょう。

当院では歯周治療の最初に舌ブラシの話もさせていただいております。不明な点などございましたら、お気軽にスタッフまでお声掛け下さい。

皆様の口腔健康の一助となれれば幸いです。

大崎シティデンタルクリニック歯科医師  山口